ホテル受信料裁判【NHKの敗訴は一般メディアで報じられない】

 

一般人との間だけでなく、ホテル等とも争いに発展しているNHKですが、NHKについて調べれば調べるほど日本のマスメディアの闇を感じます。

というのは、NHKは裁判に勝てば大声で勝訴をアピールしますが、負けると一切報道しないというフシがあるからです。それも他のメディアも足並み揃えて報じないものですから、見る人が見たら「これは隠蔽なのでは?」と思っても仕方ないのではないかと思います。

 

それを大きく感じることになったのが「掛川ビジネスホテルと新小岩パークホテルのNHK受信料裁判」です。もともと思う部分はありましたが、あまりにも報じないので驚いてしまいました。

このページでは、2019年10月後半現在にメディアが報じていない「ホテルとNHKの放送受信料を巡る裁判事例」について分かりやすくご紹介しますので、興味のある人は読んでいってください。

NHKとホテルとの間での裁判は多くの種類がありますが、ここでは掛川ビジネスホテルと新小岩パークホテルの案件についてご紹介します。

 

スポンサーリンク

ホテル vs NHK|衛星料金か地上料金かの争い

 

ホテルの立ち位置

知らない人なら驚いてしまうかと思いますが、ホテルの部屋に設置されているテレビのNHK受信料は、NHKが言うルールでは「部屋ごとで払え」となっています。

これはホテルが払うというよりは、厳密に言うと「ホテル利用者の宿泊料に乗っかっている」と考えるのが妥当かとは思いますが、家でNHK料金を払っている人がホテルに泊まると受信料を二重で取られているという問題も出てきます。

 

しかしこれに関しては、NHKは一切問題視していません。

真偽のほどは不明ですが、NHKから国民を守る党党首の立花氏によると「オートロックで新規契約できないマンションが増えていて、年々NHKの契約率が下がっており、その契約率を上げるためのカラクリとしてホテルが利用されている」のだそうです。

 

掛川ビジネスホテルの裁判事例とは?

  1. 平成29年11月6日、NHKがホテル外観からBSアンテナの設置を確認し、ホテルの一室にてNHKの放送が映ることを調査
  2. 同年11月25日、BSアンテナを撤去(NHKには申告せず)
  3. 平成30年5月にN国党立花氏のYouTubeにてアンテナの撤去に関する動画を公開

 

簡単に説明すると、NHKが実際にホテルに来てアンテナの存在と部屋でNHKが映ることを確認し、衛星料金の請求書(内容証明郵便)を送ってきます。この段階で、ホテルはBSアンテナを外すのですが、これはNHKには教えていないという状況です。

裁判にて、NHKは「11月に衛星放送が映ることを確認していて、翌年5月に衛星放送が映らなくなったことは認めるが、本当に11月にBSアンテナを外したのかどうかは不明だから、衛星料金を払え」と主張します。

 

一方でホテルは「11月にアンテナを外しているから、地上料金でいいはずだ」という主張をします。

そして少しややこしいのですが、ホテル側は12月~5月までの6ヶ月分の地上料金を支払い、「11月は衛星料金なのか地上料金なのか(11月後半にBSアンテナを撤去したのが事実かどうか)」という争点に持っていきます。

 

NHKは「11月のアンテナ撤去が認められるなら地上料金を払え/11月のアンテナ撤去が認められないなら衛星料金を払え」という主張をすることで、どちらに転んでも裁判に勝訴してしまうため、ホテル側が地上料金を先に払うことで「11月のアンテナ撤去が認められるかどうか」に争点を持って行ったという話です。

 

NHKの受信規約によると、月途中での変更は「変更度の契約種別の料額」とする

ちなみに「1日にBSアンテナが設置されていて、月の終わりにBSアンテナを外した」ということが事実として認められると、これは「変更後(今回の例で言えば地上契約)の料金」になります。

常識的に考えたら「日割計算とかになるのかな?」と思ったりもしますが、ここはNHKの放送受信規約にてルールが定められていました。

 

衛星契約から地上契約、衛星契約から特別契約、または地上契約から特別契約への契約種別の変更(以下これらの契約種別の変更を「料額が低い契約種別への変更」という。)があったときの当該月分の放送受信料は、変更後の契約種別の料額とする。ただし、当該月の前月に受信機の設置があったとき、または料額が高い契約種別への変更があったときは、変更前の契約種別の料額とする。

日本放送協会放送受信規約

 

日本放送協会放送受信規約というのは、NHKが勝手に定めている規約であり、法的なものではありません。

テレビを持っていたらNHKと契約をしなければならないというのは法律によって決められていますが、受信料を払えと言っているのはこの放送受信規約です。

 

そんなNHKの大好きな放送受信規約ですが、ここには月の途中で契約種別を変更した場合についてもしっかりと触れており、そこには「衛生契約から地上契約への変更があったときの当該月分の放送受信料は、変更後の契約種別の料額とする」という文言がしっかりと記載されています(第5条第3項(2))。

つまり掛川ビジネスホテルの件で言えば、「アンテナの撤去さえ認められるのであれば、11月分の料金は地上料金となり、衛星料金の支払いを求めているNHKが敗訴する」ということになります。

 

結果はNHKが敗訴(上告棄却)

高等裁判所では「地上料金である」という判決が出ていたものの、NHKはこれを不服として上告します。しかし、この上告は棄却されました。

これは「NHKの完全敗訴」と言ってもいいのではないでしょうか。

この掛川ホテルにはN国党の立花氏が付いているので、入れ知恵というか「裁判に勝つための戦略」が用いられており、内容は非常に分かりにくくなっています。

 

というのも、基本的に裁判と言うのは「お金が欲しくて吹っ掛ける」という前提があるので(中には金銭的な問題じゃない場合もありますが…)、NHK側の「負けたくない」という立ち回り、そしてそれを逆手にとって「あえてお金を払う」というホテル側の行動によって導き出された判決です。

ただし、以前の「受信料は違憲か合憲か」のような、本当に伝えるべきところは伝えずに「勝訴」と大騒ぎした前例のあるNHKですから、ここで敗訴の事実を一切報じないという部分には疑問を持たざるを得ません。

NHK受信料は合憲!?|みなさんに勘違いして欲しくないこと

 

※私はテレビが無いので民法ニュースをチェックしたわけではありませんが、そのようなニュースを報じたメディアはないんじゃないかと思っています。

 

スポンサーリンク

掛川ビジネスホテル vs NHK 裁判の何が問題なのか

 

裁判の結果が一切報道されていない

前項でも軽く触れましたが、勝訴した時は大声で騒ぎ、敗訴した時は知らんぷりなんて公共放送がやっていいことではないと思います。そしてNHKだけではなく、多くのメディアがこれを報じていないという部分に大きな闇を感じざるを得ません。

 

例えば、N国党立花氏が二瓶議員の件で書類送検されたとか、立花氏が受信料を払っていないことに対して訴訟の提起をしたとか…。そういうニュースは色んな所から聞こえてきましたが、NHKが裁判に負けたことは報じないなんてフェアじゃないと思います。

 

「都合の悪い部分を隠す」ということを公共放送がやってしまうと、それは公共放送でも何でもありません。勝った時しか言わないなんて、今時ギャンブル好きのお父さんでもやらないのでは?

 

同じ内容の裁判が控えている

本記事でご紹介した掛川ビジネスホテルの裁判の件ですが、実は同じ内容で新小岩パークホテルとも裁判をしています。どうせ裁判に負けても報じないし、だったら潔く負けを認めれば良いものを…。

この裁判費用も国民が払っている受信料から捻出されているということを、受信料を支払っている人は怒った方がいいですよ。集金人や裁判の無駄金を抑えるだけでも、受信料はある程度下げられるような気がしますけど。

 

ちなみに新小岩パークホテルの裁判では本人訴訟となっていて、NHKは弁護士軍団を結成して裁判に臨むも、弁護士を付けていないホテルのオーナーさんが勝っています。

ちなみに2019/10/23に「訴訟を著しく遅延させる行為」ということで、NHKの請求を裁判所が棄却しましたが、恐らく今後は最高裁に上告し、またも不受理されることでしょう。

N国党立花氏は「門前払い(不受理)されたら、NHKは『裁判に負けたわけじゃない』と開き直って報道しないだろう」と予想しています。私もそうなると思っています。

 

スポンサーリンク

結論:NHKの放送受信料は妥当な金額ではない

地上料金、それから衛星料金という区分で、テレビを設置している国民から受信料という名目でお金を巻き上げているNHKですが、やろうと思ったらいくらでも受信料を値下げできると思います。

私はテレビを設置しておらず、受信料を支払っていない立場なので何も言えませんが、公共放送が公共放送という立場を自覚して振舞えば、このようなことにはなっていないのではないでしょうか。

自分たちに都合の良い情報だけを切り取って報じているのであれば、それはもう公共性、中立性の微塵も感じません。公共放送を名乗るのであれば、まずはフェアな報道を心掛けて欲しいものです。