現在「携帯電話」と呼ばれるカテゴリーにはスマホとガラケーがあるわけですが、そのスマホの中にもiPhoneとAndroidの2種類が存在し、今回の件で言うと「ワンセグ機能付きかワンセグ機能無しか」の2つに分かれます。
いずれにしてもNHK集金人に対して「テレビないので帰ってください」と言うと、必ずと言っていいほど決まって「スマホ持ってるんでしょ?カーナビは?」というような二の矢を放ってくるようになりました。
NHKの言い分としては「ワンセグなんだろうが何だろうが、NHK見れる状況にあるならお金を払え!」ということなのですが、個人的には「お前それマジで言ってんの?」っていう感じなのでちょっと書いていきます。
NHK側の言い分
よくある質問とそのアンサーについて
NHKのサイトに行くと「よくある質問集」というカテゴリーがあり、その中に「パソコンや携帯電話(ワンセグ含む)で放送を見る場合の受信料は必要か」という質問がありました。
そりゃよくある質問でしょうよ。「テレビはないのでお帰りください」と言って追い払おうとした集金人が、今や「テレビは無くても、スマホ持ってるでしょ?」と返す刀を用意している時代ですから。
それに対するNHKのアンサーが、非常に衝撃的です。
- NHKのテレビの視聴が可能なパソコン、あるいはテレビ付携帯電話についても、放送法第64条によって規定されている「協会の放送を受信することのできる受信設備」であり、受信契約の対象となります。その他のNHKのワンセグ放送が受信できる機器についても同様です。
- ただし、受信契約は世帯単位となりますので、一般のご家庭の場合、テレビの視聴が可能なパソコン、あるいはテレビ付き携帯電話を含めて、複数台のテレビを所有している場合でも、必要な受信契約は1件となります。
- 一方、事業所の場合は、設置場所(部屋など)ごとの受信契約が必要となります。ひとつの部屋に、テレビや、テレビ視聴可能なパソコンなどが複数あっても、その部屋で必要な受信契約は1件です。
- ワンセグ受信機のみのご契約者への取り組みについてはこちらをご覧ください。
要約すると「ワンセグもNHKが映るわけだから、ワンセグの映る携帯電話を所有しているならテレビが無くてもお金を払ってください」という内容です。
NHKのアンサーを深く掘り下げていく
じゃあ面倒ですが、1個1個掘り下げていきます。
1番上のやつは詳しくやるんで、一旦後回しにしますね。
ただし、受信契約は世帯単位となりますので、一般のご家庭の場合、テレビの視聴が可能なパソコン、あるいはテレビ付き携帯電話を含めて、複数台のテレビを所有している場合でも、必要な受信契約は1件となります。
これは「ワンセグが映るスマホでも受信料を払え」と言えば必ず反発してくる人が出てくるのを先回りしたアンサーで、いわゆる「じゃあうちにはスマホが3台あるから3台分払えっていうことか?」と言われたときに「1台分で結構なんで払ってください」とするものです。
受信料の断り文句として「テレビは無い」というものが最強かつリアル(実際にテレビを必要としない家が増えている)なので、その矛先をスマホに変えてきやがったってだけの話ですね。
一方、事業所の場合は、設置場所(部屋など)ごとの受信契約が必要となります。ひとつの部屋に、テレビや、テレビ視聴可能なパソコンなどが複数あっても、その部屋で必要な受信契約は1件です。
会社や事務所などの事業所の場合だと、1部屋にパソコンが数台あったりテレビが数台あったりすることは結構あると思うのですが、こういう人たちの反発を抑えるために先回りしたアンサーがこちら。
これも「1部屋に何台の受信機器があっても、契約は1契約でOKです」という、いわゆるNHK側が折れた内容に思えますが、これは部屋ごとという条件にすることで「ホテルなどは部屋ごとに受信料を払え」ということを成立させるための罠じゃないかと思っています。
私が小学校の頃は各教室にテレビがあって、道徳の時間にテレビを見たり、給食の時間に校内放送をしたりしてたけど、そういうのは「受信料取りまっせ!」っていう意味ですね。
学校も役所も警察署も…。1部屋ごとに受信料を払ってるんでしょうか…マジで。
ワンセグ受信機のみのご契約者への取り組みについてはこちらをご覧ください。
「こちらをご覧ください」の先に書いていたのは「これまでに集金人が訪問に行って『テレビはないけどスマホは持っている』と回答したような人に対して、受信契約をしてくださいという内容のハガキを送っています」という内容でしたので、まぁどうでもいいでしょう。
「パソコンや携帯電話(ワンセグ含む)で放送を見る場合の受信料は必要か」
まぁ個人的には、このよくある質問の段階で「NHKの放送を見る場合」というシチュエーションをしれっと入れてきているあたりも気に入らないのですが…。
誰が「スマホでNHK見てるんですけど、受信料って払わなきゃいけないんですか?」って聞くんですか?多分「スマホを持ってるだけで受信料を払わなきゃいけないんですか?」って聞き方をしてる人が大多数だと思いますけど。
NHKのテレビの視聴が可能なパソコン、あるいはテレビ付携帯電話についても、放送法第64条によって規定されている「協会の放送を受信することのできる受信設備」であり、受信契約の対象となります。その他のNHKのワンセグ放送が受信できる機器についても同様です。
まずNHKが真っ先に主張してくる放送法第64条ですが、この中の文言に「テレビを設置したらNHKと契約しなきゃいけませんよ」という内容の文言が含まれています。
で、さらに「でもテレビの受信を目的としていなければ、この限りではありませんよ」とも書かれています。原文はリンク貼っておきますね。
<<放送法第64条
常識的にこれを受け取るのであれば「テレビは見ないしアンテナ線も繋いでいない、DVD観賞用のテレビなら部屋にあっても支払い義務は生じない」って考えになりませんか?
しかし法律というのは不備が結構あって、常識的に考えるとおかしいと思うことが多々あります。アンテナ線を繋いでいないというのは、言い方を変えれば「アンテナ線を繋げば見れますよね?」という解釈になってしまうようです。
私がNHK嫌いである部分を差し引いても、現行の法律はNHKに有利に作られていると思わざるを得ないというか、本気でやばいやつだと思っています。
ワンセグ機能付きのスマホを持っているだけで受信料が必要かどうか裁判
ちなみにワンセグ機能付きのスマホを持っているだけでNHK放送受信料の支払い義務が生じてくるかどうかという部分については、2019年3月現在も裁判中です。
さいたま、水戸、大阪、千葉、東京の5つの裁判所で行われた第一審で1勝4敗。唯一勝ったさいたまの判例も第二審で覆ってしまって現在控訴中となっています。
<<ワンセグ機能付き携帯電話やスマホでNHKと契約をしなきゃいけないかどうか(裁判事例)
NHKって本当に悪い意味ですごいなぁと思うのは、自分らのせいでテレビを持たなくなった人が増えたにも関わらず、そういう人から別の方法でお金をむしり取ろうとする根性ですよね。
まぁ実際にテレビが面白くなくなったとも言われていますし、動画配信サービスやYouTubeなんかが面白くなってきているので、テレビそのものの需要はNHKどうこうじゃなしに減ってるのかもしれないけど、少なくとも私はNHKに受信料を請求されるということがなければ部屋に置くくらいはすると思います。
しかし私と同じく「NHKにあれこれ言われるのも嫌だから、だったら別に無くなってもそこまで困らないテレビなんか捨てたっていいかな」って判断をした人って結構いるんじゃないでしょうか?
テレビなんて買い切りじゃないですからね。安いテレビなら数万円で買えますけど、月額2000円前後のNHK放送受信料ありきですから、こんなん今の時代に合ってないでしょ。
火種はカーナビ、そしてインターネットへ
NHKの裁判事例を見ていると、実にひどい言いがかりだと感じるものが少なくありません。
例えばホテルなんかだと「全部屋に設置しているなら、全部屋で受信料を払え!」とか言ってますし、一般市民でテレビもワンセグ機能付きのスマホも持っていないという人に対して「車にワンセグ機能付いてるんじゃないの?」と言ってきたり…。
で、実際に裁判ではほとんどがNHKに有利な結果に着地しているような気がします。
中には「裁判官が忖度している」とか「裁判官が中立の立場から判断していない」という人もいますが、個人的にはこれは違うんじゃないかと思っていて、どっちかっていうと「そうなってしまうような法律がおかしい」と思っています。
現在、NHKがインターネット配信を始めることが事実上決定しました。受信料云々の具体的な話はまだ出ていないものの、現時点では「料金を払っていない人に対しては、スクランブル放送をするんじゃないか?」と言われています。
私もテレビやカーナビは捨てられましたが、さすがにNHKを払いたくない一心でネット環境まで捨てることはできないと思いますし、そうなってきたらいよいよ声を挙げるという人も増えるのではないかと思っています。
結論:ワンセグ機能の無い携帯電話・スマホに買い替えよう
個人的には何とか節約をしようということで、格安SIMで月額1000円程度の費用でiPhoneを所有しているわけですが、ここに月額1500~2000円前後の放送受信料を上乗せされたら相当厳しいなぁというのが本音です。
だって今やAmazonプライムでも年間4000円とかで結構良い動画コンテンツが見れるんですよ?月にしたら300円とか400円じゃないですか?
インターネットからも受信料を取ろうとする行為は、NHKにとって逆風になることを心から祈っています。